冷却速度制御による精密射出成形法の開発 第11報 各種樹脂の成形精度に及ぼす冷却速度の影響

摘要

成形品の寸法精度を向上させるため，冷却速度を制御して収縮を抑制する「冷却速度制御による精密射出成形法」を提案し，各種樹脂の収縮特性および粘弾性特性等と寸法精度との相関を調査することで本手法の有効性を明らかにしてきた.既報までに，結晶性樹脂のコの字型成形品の側壁部の倒れ変形挙動と初期金型温度や急速冷却，冷却保持温度·時間との相関を明らかにした.本報告では，成形品の精度が離型後に低下する問題に対し，前報で報告したPPSと比較すベく，同じ結晶性樹脂で粘弾性特性の異なるPBTと非晶性樹脂のPCを用いて側壁部の変形挙動と急速冷却後の保持温度·時間との相関を調査した.