酢酸リグニンを添加したポリブチレンサクシネート複合材料の機械的および分解特性

摘要

環境負荷の少ない材料であるグリーンコンポジットに関する研究において，植物バイオマスに含まれるリグニンを高分子母材に添加する取り組みが報告されている.リグニンはフェニルプロパン構造を主要骨格としているが，バイオマスの種類や抽出方法によりリグニンの分子構造は異なることが知られている.したがって，リグニンの抽出条件により，添加される複合材料の諸特性は異なる可能性がある.本研究では，常圧酢酸パルプ化法により抽出される酢酸リグニン（以下，AAL)を対象として，抽出時間を変更してAALを回収した.その後，生分解性高分子であるポリブチレンサクシネート（以下，PBS)に添加し，PBS複合材料の機械的特性お上び分解特性に与える影響を評価した.