フッ素樹脂成形用高耐食·高耐摩耗スクリュ材の開発

摘要

熱可塑性フッ素樹脂成形の現場では，可塑化過程で生成するフッ酸(HF)により成形機のスクリュ·シリンダが腐食摩耗する問題を抱えている.これに対し我々は，共著者の千葉らが中心となり，主に生体用インプラント用途として開発が進められ，高い耐食性と耐摩耗性を持つCo-Cr-Mo 合金を，腐食摩耗被害に悩むスクリュ·シリンダに応用する研究に取り組hできた.その結果、市場競合材であるNi基合金に対し，同等の耐食性とこれを上回る耐摩耗性を両立し，更には硬さの面でも高いアドバンテージを持つ新素材『COBARION-101』の開発に成功し，（株)エイワより販売を開始している.本報告では，このCOBARION-101に関して，モデル実験による耐食性および耐摩耗性評価，並びにスクリュ試作品の実機運転による耐久性評価を通じて行われた，市場競合材Ni基合金-Xとの優位性検証について紹介する.