ガスケット付きフランジ締結体の過渡漏えい特性について

摘要

近年，化学プラントなどから排出される有害物質の排出規制が世界的に厳しくなってきている．このため，日本でもガスケットの密封特性評価のための試験方法が規格化されている．ガスケットの漏えい量の測定においては，ガスケット締付け圧を変化させた後，漏えい量が安定するまで一定時間を要する．例えばJIS B 2490 では，所定の試験ガスケット締付け圧を与えて5 分間放置した後，漏えい量を測定する規定となっている．この放置時間は漏えい量の測定精度に影響を与えるので，漏えい量が安定するまでの過渡的特性を把握することが重要であるが，これまで十分な検討がなされていない．本研究では，ヘリウムリークディテクタ及び圧力降下法を用いて，内圧を作用させた後，漏えい量が安定するまでの過渡的漏えい特性の測定を行い，漏えい量が安定するのに要する時間について検討を行った．