CWレーザ背面照射法(CW-LBI)によるガラス内部の金属微粒子の移動メカニズムの検討

摘要

ガラスは絶縁性や透明性に優れた材料であり，ガラスインターポーザーや光ファイバーなど電気的，光学的に応用されている．このようなガラスの加工技術の中で，レーザ光を照射しガラスの内部を加工するという技術がある．例えば，フェムト秒レーザのガラス内部への集光照射により，内部に屈折率変化を誘起し，3次元光導波路や光学素子などの光デバイスを形成できる．このような背景に対して，CWレーザ背面照射法(CW-LBI)ではガラスの表面に密着させた金属膜／箔に対しガラス越しにレーザ照射することでガラス内部に金属微粒子を導入できる．レーザ光によりガラス内部に金属微粒子を導入できる技術は従来になく，さまざまな応用が期待できる．しかし，ガラス内部を移動する微粒子の移動メカニズムは解明されていない．本研究では，ガラス内部に導入された金属微粒子に対し，レーザ光を照射したときの微粒子と周囲のガラスの温度分布について数値解析により評価した．解析結果と試料の物性値の温度依存性から，ガラス内部を移動する微粒子のドライビングフォースについて検討した．