Mobile Mapping データにおける大規模三次元点群からの道路周辺地物の認識（第7報）－大規模三次元点群からの腕金を考慮した空中架線の自動抽出

摘要

日本において，電線や通信線などの架線は，地中化が進hでおらず，国土交通省による2011 年度末の調査では全国で無電柱化率は15%となっている．空中架線は経年により，他の架線や地表面までの距離が変化するため，定期的な管理が求められている．現在の空中架線の管理手法は1 本ごとに，検測棹を用いて計測されているが，この方法では管理に多大な時間がかかってしまうという課題がある．一方で，近年MMS（Mobile Mapping System)に搭載されているレーザスキャナの性能が向上してきたこともあり，従来のMMS に比べ，架線が高密度かつロバストに計測が可能になってきている．そのため，MMS による電線の管理が期待されており，MMS で取得される大規模な三次元点群の中から効率良く，架線を抽出する技術が求められている．レーザ計測点群からの架線抽出は様々な研究が行われいるが，対象とされる架線は，送電線などの比較的単純なものが多く，市街地において複雑に入り組hだ架線に対する研究は少ない．そこで，本研究では市街地において複雑に入り組hだ架線を点群の中から自動で抽出することを目的としている．本報では，これまでに提案してきた架線抽出手法の，様々な場所での性能評価結果について述べる．