粒子法を用いたレーザ溶断の現象解明の検討(第2報)－溶湯初期形状の検討

摘要

レーザ溶断は，高速かつ高精度な切断方法として広く普及しているが，溶湯の熱流動，アシストガスによる吹き飛ばしなどの組み合わさった，複雑かつ高速な現象である.その内部現象の理解のため様々な数値解析によるアプローチが成されているが，未だ十分な理解には至っていない.本研究の目的は，自由表面の大変形に強い粒子法を用いて，溶湯の振る舞いをモデル化する事である.第1報においては，解析の初期条件において溶湯の上面からアシストガスの流入口の間をアシストガス粒子で充填する事で圧力振動の低減が可能になる事を示したが，本報告では，溶湯の適切な初期形状について検討した.特に，溶断中のキーホールに大きく影響するとされる，蒸発する金属原子の反力である反跳力の影響を考慮すべきか，という点を重点的に検討する事とする.