適応的描画プリミティブ選択とLODによる大規模環境レーザ計測点群の効果的表示手法

摘要

近年，様々な計測方式によるレーザ計測技術の進歩に伴い，屋内から市街地といった大規模環境の点群が容易に得られるようになってきている．点群の表示は，計測された環境を確認するために必要な機能であるが，点のみによる表示では面的な情報がないため，計測された環境の目視による理解が困難となる場合がある．また，既存の点群表示手法では，線的，面的，立体的な様々な物体が異なるスケールで存在する，市街地などの大規模環境計測点群の効果的な表示を得ることは困難である．そこで，本研究では前報において，大規模環境レーザ計測点群に対し，視点からの距離や点分布状況に応じて描画プリミティブ（点，線分，スプラット，メッシュ）を適応的に選択した点群表示手法を提案した．本報では，前報の手法を拡張した，表示の効率化のための，視点に応じた線分，スプラット，メッシュのLOD表示と，前処理時間短縮のための点密度に応じた適応的な近傍点探索半径の導出について述べる．