高速·高精度維持を実現する制御技術

摘要

今日のものづくり産業の多くは、多様化する消費者ニーズへの対応から多品種·少量生産へシフトしている．このため，高品質な製品を短期間で製作することが求められており，中でも金型は，高精度·複雑形状の要求が高まる中，製作期間短縮が強く求められている．これらの要求を満足するためには，(a)金型切削時間の短縮と，(b)後工程の磨き作業を軽減するための切削加工面の高品位化が必要となる．(a)については，一般的に金型加工機は積載するワークの重量によらず積載可能な最大重量ワークに合わせ加速度が調整されている．このため，積載可能な最大重量を下回るワークの加工においては，機械の能力を最大限に使用することができず，加工時間が長くなるという課題がある．(b)については，機械を長く使用しているうちに，ボールネジや摺動面ガイドの摩耗等に代表される機械の経年変化により，駆動機構のロストモーション増大や，加工精度が低下するという課題がある．上記(a)，(b)の課題に対して，機械の能力を最大限に使用し，長期に渡り，加工時間短縮·加工精度維持を可能とする制御技術である『サーボナビ』を開発した．