ディーゼルエンジン用ノズルの微細深穴加工(第4報)－微細シンニングドリルによる深穴加工

摘要

また，ドリル先端の中心部分，いわゆるチゼルエッジでは，加工対象物の塑性変形による除去加工になっているため，大きなスラスト方向圧力がかかる．太いドリルであれば，十分な強度があるためその圧力に耐えて加工を行うことができるが，微細径ドリルでは自身の座屈を招いてしまう．そのため，微細径ドリルになるほど小さいチゼルエッジが望まれる．前報ではこれらの問題を解決する手法として，チゼルエッジに切り欠きを入れるシンニングに着目し，微細径ドリルへの高精度なシンニング加工を，簡便に行うことができる装置を開発した．しかし，送り機構が手動であったりしたため位置再現性が±7μm となり，微細径ドリルへの安定したシンニング加工をおこなうには不十分であった．そこで本研究では， シンニング装置に改良を加えてΦ0.2mm の微細径ドリルへシンニング加工を施すことを可能にした．さらに，作製したドリルでΦ0.2mm，深さ4mm の微細貫通穴加工を行い，シンニングの効果を確認した．