重ね継手の疲労寿命に対する溶接条件の影響に関する数値解析的検討

摘要

溶接部は構造的な応力集中に加え，溶接ピードの形成による局所的な応力集中や10000Cを超える溶接入熱による材料特性の変化など様々な要因によってき裂の発生·伝播を伴う疲労破壊の起点となりやすい．また，溶接時の入熱量や姿軌ねらい位置等の溶接プロセス条件によって溶接ピード形状は大きく変化するためそれぞれの要因が疲労寿命に与える影響は明らかになっているとは言い難い．一九著者らは，高効率な溶接プロセス実現を支援するツールとしての活用を目的としたシミュレーションモデルを開発1）しており，3次元溶融池現象を表現可能なモデルを構築し，隅肉溶接や重ね継手乳幅広い溶接姿勢や継手形状に適用可能であることを示している，他方，高サイクル疲労にも適用可能な繰返し弾塑性モデルを開発するとともに，非比例負荷条件下の鉄鋼およびアルミニウム材料の弾塑性応答や溶接継手のピード形状や残留変形等が疲労寿命に与える影響などの評価を行ってきた。