Al/Mg系共晶融按を利用した軽金属材料への共晶合金パターニング

摘要

次世代の持続可能な社会の構築に向けた社会的な取り組みに沿い、材料産業に対しても環境への配慮が強く求められている。従来の実用材料開発では、生産から消費に至るまでの製造性をはじめ輸送性や使用性能などが主に考慮されてきたが、近年における傾向としては、廃棄物の解体性や再資源化性にも配慮し、材料のライフサイクル全体を念頭に置いた材料組織の設計や構造部材の製造に注目が集まっている。我々の研究グループでは、実用合金基材の表面に高強度の合金や化合物をマイクロパターニングし、表面の応力状態を制御することで材料全体の機械的特性を向上させるべく検討を進めてきた。材料のライフサイクルを考慮した場合に、高機能材料のマイクロパターニングによる特性向上は、希少元素の添加量削減をはじめ廃棄物の解体や再資源化にも大きく寄与できると考えられる。軽量材料である金属アルミニウムを基材として、純マグネシウム粉末を分散させたスラリーペーストを光造形法プロセスによりマイクロパターニングし、共晶温度以上に加熱することで融接した。アルミニウム/マグネシウム系共晶合金の幾何学的な配置と材料全体の力学特性について、有限要素法により解析した結果についても詳細を述べる。