パイプ周溶接の3次元変形解析に関する基礎検討

摘要

複数のパイプとフランジを突合せて周溶接により製造される配管において，溶接によって軸方向の収縮変形以外に，曲がり変形も発生する．これは，溶接線の始終端部と中央部におけるひずみ分布が異なるためである．曲がり変形を低減するための方法として，拘束冶具の使用や溶接後の変形矯正などがあるが，溶接前に事前に変形解析を行い，溶接の始終端の位置関係等の施工条件を適正化することが有効な方法である．熱弾塑性解析は長時間の計算時間を必要とするため，各溶接部の継手形状と溶接条件が同じ場合，固有ひずみを用いた弾性解析が有効な手法である.本報告は，固有ひずみを用いたパイプ周溶接の変形解析手法を検討し，熱弾塑性解析結果と比較したものである．