690系Ni基合金と低合金鋼異材溶接部の延性低下割れ感受性とその評価試験法の確立--690系Ni基合金異材溶接金属の高温割れ感受性評価（第1報）

摘要

690合金は耐食性に優れるた軌適用拡大が期待されている．しかし，溶接高温割れ感受性が高いとされ，その中でも特に）延性低下割れの発生が問題となっている．加えて，異材溶接部では，希釈に伴い高温割れ感受性がさらに高まることが予想される?そのため，690合金の適用拡大には，異材溶接部での延性低下剤れ感受性を詳細に理解する必要がある．これまでに，高温割れ感受性評価は，トランスパレストレイン試艶スポットバレストレイン試験などによる判定評価が主として行われてきたが，割れ発生時のひずみや温度の定量的かつ詳細な評価はなされていない．そこで本研究では，690合金適用時に希釈が想定される低合金鋼との組合せに対して，母材希釈率の変化が延性低下割れ感受性に及ぼす影響を定量的かつ高精度に評価することを目的とした．高精度な高温延性曲線を取得するため，その場観察法を適用した高温引張試験を開発し，既報1）と同様に高精度に評価部組成を制御した試験片を用いることで，母材希釈率と高温延性曲線の関係を定量的かつ詳細に調査した．