ALOS-2/PALSAR-2を利用した新潟県?長野県北部および熊本県の 地すベり性地表面変動のモニタリング方法の検討

摘要

今回，AL0S-2/PALSAR-2画像を用いてDInSAR解析とRGB 混合法をおこない，本研究地域における地すベり性地表 面変動の検出と認定とモニタリング方法を検討した.検 出した色変化のうち，次の各条件を満たす場合，変動斜 面と認定できると考えた.（a)2組以上の各マルチルツ ク処理（4-4から12-12までの数ペア）で他の範囲とは異 なる色変化が見られること，（b)またその色変化の地形 的な位置関係が画像の衛星視線方向や斜面傾斜方向等と 比較して整合的であること，である.長期のペアで変動 斜面を確認してもその期間中運動し続けたとは言えず，2 力月?3か月の短期のペアと半年?1年数力月程度のペア で変動の有無を確認し，運動している期間を特定する必 要がある.今後は，各地域での継続した斜面変動モニタ リングと，変動斜面と認めた箇所でより分解能の高いDEM を使用してDInSAR解析をおこなう.RGB混合法は斜面崩 壊箇所の広域取得に有用性があるが，その判読箇所と規 模は画像撮影時の衛星視線方向に依存すると考えられる. 今後は画像中の斜面崩壊箇所の認定方法の検討を進め， DInSAR画像と比較する.両衛星軌道方向での変動斜面の 確認もする.長野県北部?熊本県の地震発生場所を含む 画像でピクセルオフセット解析に取り組む.