箱型擁壁の安定状態時および限界状態時に作用する地盤内応力の検討

摘要

斜面対対策工の一つである箱型擁壁は，排水性と耐震性に優れた工法であり，日本の伝統的な土木技術である城の石垣をヒントに開発されたものである。平成4年から現在に至るまで，2000件を超える施工事例があり，数多くの大規模地震や中規模地震等を経験しているが，崩壊した事例は報告されておらず，従来のもたれ式擁壁工法と比べると耐霹性は高いと推測される。本論文では，箱型擁壁の挙動の推測を行うため安定状態と限界状態における箱型擁壁周辺の地盤内応力をSPH（smoothed particle hydrodynamics）法を用いて検討を行った。