社会システムとしての電気設備とヒューマンファクター対策

摘要

生産等プロセス制御システム、金融システム、鉄道·航空などの管理·運行システム、道路管理システムなど複雑なシステムを含めて社会システムと呼ぶことにする。これらシステムはインターネットなど通信を介して自宅にいても移動先でも必要な情報を採り、サービスを受けることも、作業状態を監視し、制御することも可能である。これら社会システムのエネルギー源は電気（電気設備も含む）で、頭脳（神経網）に当たるのがコンピュータである。電気設備は人間でいえば血液を供給する心臓に相当する。電気が止まれば電気設備はただの箱になってしまう。コンピュータが人間の行為。行動の代行を可能にしているのがレギュレ一夕（電源安定装置、変圧装置）でありソフトウエア、センサーなどである。また生産システムにおいて信頼性の高い製品を製造するために欠かせないのがフィードバックなどの最適制御システムと各種センサーを組み込hだ検知·測定システムである。こうした社会システムが定常状態であることは各サブシステムがダイナミックでリアルタイムに連動していることを示している。また各システムの遷移状態は画像や数値データとしてディスプレイ上に表示され、非定常状態に陥った時には、警報音や音声などで知らされる。こうしたことからシステムを扱う作業者（運転員、オペレータなど）の役割は主として情報処理と意思決定（目標の設定。監視、問題解決、選択など）などの認知作業を担い、単純なセンサーや動作器としての対応は二次的な役割となる。