温度応答性陽イオン交換膜を用いた電気透析による同符号·同価数イオンの分離回収

摘要

海水中には約2300億トンのリチウム（Li）資源があると言われており、海水中から多くのLi十を効率良く分離?回収する膜分離技術として電気透析法が注目されている。電気透析は透析速度が速く、塩分濃度の調節が容易といった特徴を有している。しかし、現在電気透析に使用されている市販膜には同符号。同価数イオンを選択的に分離可能なイオン交換膜が存在しない。そこで、Poly（vinyl alcohol）（PVA）と下限臨界温度（LCST）を有する温度応答性ポリマーであるPoly（N－isopropylacrylamide）[poly（NIPAAm）］を用いて温度応答性陽イオン交換膜（TR－CEM）の作製を行った。TR－CEMはNIPAAmの作用により温度変化によって膜の親疎水性を制御させることが可能である。本研究では、TR－CEMの膜基礎特性評価及び、電気透析実験を行いナトリウムイオン卿a＋）に対するカリウムイオン（K＋）、Li＋の選択透過性について検討する。