多孔板有効応力概念の管板構造設計への適用性評価

摘要

熱交換器に使用される多数の伝熱管を集合させる正三角配列多孔板は形状が複雑であることから、設計解析用には多孔部を等価な中実板に置き換えたモデル（Fig.1）が適用されている。等価中実板の利用に関して、ASME の原子炉構造設計コードSec.III[1]および圧力容器設計コードSec.VIII[2]が、弾性解析用の等価材料特性を与えている。これを拡張し、等価中実板を用いた非弾性解析を可能とするため、構成式に依存しない汎用的な弾塑性クリープ等価物性を決定する手法の研究を筆者らは進めている。本報では前報[3]にて紹介した有効応力比(Effective Stress Ratio =ESR)に基づく等価中実板の管板構造設計への適用性を報告する。従来の平管板に加えて、高速増殖実証炉での採用が期待されている球形管板についても、適用範囲を調べる。