傾斜機能圧電材料の応力·電束密度拡大係数に及ぼすき裂面伝導性の影響

摘要

本報は，熱的負荷の作用下にあるき裂を有する傾斜機能圧電材料の破壊挙動に及ぼすき裂面の熱·電気的境界条件の影響を検討したものである．熱的境界条件としては，き裂上下面の温度差に比例する熱流速の存在を仮定した．また，電気的境界条件としては，き裂上下面の静電ポテンシャル差あるいは静電ポテンシャル差とき裂開口変位に依存する電束密度の存在を許容するモデルを提案した．解析には，Fourier変換法および熱弾性変位ポテンシャル法を用い，問題の解を連立特異積分方程式に帰着して解く方法を採用した．数値計算を行い，応力·電束密度拡大係数に及ぼすき裂面における熱的および電気的境界条件の影響を定量的に明らかにした．