接着性および耐食性に優れたアルミニウム合金への陽極酸化処理

摘要

自動車などの輸送機器分野では、CO_2排出量削減·低燃費化への対策として、各種部材の軽量化 が必須の課題となっており、軽金属やエンジニアリングプラスチックなどの軽量材料の適用が拡大 している1）。しかし、単一材料による軽量化には限界があるため、異なる材料を組み合わせたマル チマテリアルが新しい概念の軽量材料として注目されている2）。現在、アルミニウム合金とエンジ ニアリングプラスチックを組合せたマルチマテリアルは大きな軽量化が期待できることから、多く の検討が行われている3）。一方、輸送機器分野では、長期信頼性の観点より、各種部材に対して厳 しい品質が要求されることから、アルミニウム合金一樹脂間の接着においてはミ両者間での接着性 とともにアルミニウム合金に対する耐食性も要求される。 　そこで、本研究では、マルチマテリアル化を目的としたA5052アルミニウム合金について、接着 剤にポリアミド系ホットメルト接着剤を用い、A5052アルミニウム合金に対して接着性および耐食 性を向上させる陽極酸化処理について検討した。