炭素系複合材の耐酸化性評価の新奇解析法

摘要

高精度ガラスレンズは、光学ディスクのピックアップやデジタルカメラ、半導体産業のフかレジスト装置に使用されており、炭素系のモールド材により形成されている。光学的特性の優れたガラスは、高融点のものが多いため、炭素系モールドの酸化に伴う形状変化が、得られるワーク材の形状に直接影響する。そのため、炭素系材料のごく表層の酸化挙動を高精度に解析する手法を開発し、耐酸化性を付与した炭素系材料の開発指針を得ることは、非常に重要となる。炭素にB_4CおよびSiCを酸化インヒビターとして添加した炭素基複合材は、1400°Cまでの高温で優れた耐酸化性を示す。これは、比較的低温である500°CからB_2O_3が、また1100°C以上の高温でSiO_2が生成し、平滑で緻密なボロシリケート酸化保護膜を自己形成することに起因する。