レーザーを用いた鋼材の疲労損傷の全視野評価（輝度分布の評価法）

摘要

軟鋼などの延性材料の疲労については，損傷は表面から始まり，すべり帯の発生により表面状態が大きく変化する．従来よりレーザーのスポット光を照射し，反射光のパターン変化を利用して，表面状態の変化を観測し，疲労状態を検出する方法を検討してきた．その後，スポット光による点観測でなく，スリット光を用いて試験片表面を走査し，観測に使用するCCDカメラなどの視野内の観測領域全体において疲労損傷箇所を検出し，疲労損傷の状態を評価する方法について検討した．本研究では全視野において疲労損傷箇所の検出を行なうこと，および観察結果を画像により求めることによって，疲労損傷箇所および損傷の程度を可視化する方法，さらに反射光の輝度分布を評価することにより疲労損傷の状態を定量的に評価する方法について検討した．