塗布熱分解法により作製されたBaZrO_3人工ピン導入長尺Y_xGd_(1-x)Ba_2Cu_3O_(7-δ)線材の臨界電流特性

摘要

トリフルオロ酢酸塩を用いた塗布熱分解（TFA-MOD）法とバッチ式一括熱処理を組み合わせた高温超伝導線材作製手法は、低コスト化が可能な長尺線材作製プロセスとして期待されている。近年では、プロセス技術の革新により超伝導層の2μmを超える厚膜化と人工ピンとしてBaZrO_3ナノ粒子を均一分散させることに成功し、線材の臨界電流I_c値を向上させることに成功している。しかしながら、磁場中臨界電流特性については77Kの自己磁場や3Tで調べられているのみで、幅広い実用領域においては明らかとなっていない。本研究では、ナノ粒子分散型人工ピン導入技術を適用し電熱バッチ式一括熱処理プロセスにより作製された、長尺Y_xGd_(1-x)Ba_2Cu_3O_(7-δ)線材の臨界電流特性について詳細に調べた。