太陽熱駆動型デシカント空調システムの冷房性能とエネルギー利用効率

摘要

産業用、民生用を問わず、エネルギー消費は増大の一歩を辿っている。その中でも冷房装置の普及は、私達に快適な環境を提供する半面、電力需要の増大と、それに伴う二酸化炭素排出量の増加、都市部におけるヒートアイランド現象などの問題を含hでおり、これら諸問題の解決策が望まれている。この中で、ハニカム吸着材を用いた吸着式デシカント空調プロセスは80°C以下の熱を駆動源にできるため、コジェネ排熱の活用先として徐々に普及しつつある。また、太陽熱温水器で得られる50－80°C程度の温水も駆動熱源として活用でき、太陽熱駆動型デシカント空調として既にいくつかの試験結果（Collier et a1．，1982；Lof et al．，1988；Halliday et al．，2002）が報告されている。本研究ではわが国の気候条件において太陽熱を利用した外気再生型デシカント空調プロセスの実証試験を行ない、その冷房性能と太陽エネルギーの利用効率の観点から考察を行った。