油圧弁内の流れと誘起振動

摘要

流体機器のうち，方向制御弁の一つとして広く用いられているものに逆止弁がある．逆止弁は，ばねにより弁体を座面に押し付けるシンプルな構造であるものの，弁体や流路の形状および内部の流動状態により振動が発生する場合がある．この現象のメカニズムの解明及びバルブ挙動を評価することは流体機械の寿命や信頼面の観点から非常に重要である．そこで本研究では，次元解析と相似則を用いてモデル化された逆止弁において，流量の増加に伴う弁前後での差圧への影響を考察，弁内の流れを可視化により渦等の発生を確認，およびそれらが弁に与える影響を把握することを目的とし調査を行う．ここで，モデル化した逆止弁をモデル弁と呼称する．