複雑工作物形状からの切削加工に向けた目標形状の位置·姿勢決定手法の提案

摘要

近年，広く利用されている複合加工機は，多軸化·複合化により機械構造が複雑になっており，工具と工作物およびジグなどが干渉を起こす可能性がある.そこで未然に干渉を回避するため，マシンシュミレータによる加エシミュレーションが不可欠となっている.一方，マシンシュミレータでは事前に目標形状および工作物やジグをモデル化する必要があるが，計算機内のモデルと現物で差異が生じる可能性もある.これらの問題を解決するため，著者らは機上計測によって生成した実際の工作物と一致するモデルに合わせて目標形状モデルを再配置しNCプログラムを修正するマシンシミュレータを提案している.しかしこれまでは，工具と工作物やジグの干渉回避に重点が置かれており，目標形状モデルの再配置に加工効率を考慮していなかった.また，角柱や円柱などの単純形状の工作物のみを想定していたため，積層造形などによる複雑工作物形状を取り扱うことができなかった.そこで本研究では，機上計測によって取得した複雑工作物形状を対象に，加工効率を考慮した目標形状の位置·姿勢決定手法を提案する.