脳形状の変化が衝撃時の頭蓋骨·脳間相対運動に及ぼす影響

摘要

日本国内における交通事故死者数は，様々な安全対策などにより年々減少傾向にある.しかしながら，今なお年間およそ4000人の命が失われている.このことから，さらなる交通事故死者数の削減が求められている.交通事故による死者の主な損傷部位は，頭部がおよそ半数を占めていることから，交通事故死者数削減において頭部の保護対策は重要な課題の一つであるといえる.さらに日本国内では，昨今少子高齢化が加速的に進hでおり，今後もこの傾向は継続していくことが見込まれている.交通事故の死亡者においては，総死者数に占める65歳以上の高齢者の割合は全体の約半数であることから，交通事故死者数を削減するためには，高齢者を対象とした対策および安全性評価を行うことが重要と考える.