砥石内研削液供給機構による小径深穴内面の研削加工における形状精度

摘要

AT（自動変速機）の油圧回路を構成する部品の一つであるソレノイドバルブは，バルブ内部のプランジャを移動させることにより流路を変化させる機構を持つ．ソレノイドバルブの電磁部にはコアと呼ばれる部品が使用されており，コア内部の可動鉄心を電磁力により稼働させプランジャを押し出す．稼働鉄心の復元力は，内部に生じた気圧差であるため，気圧漏れのないようにコアの内径は真円筒形に仕上げる必要がある．同時に内径は，稼働鉄心を摺動支持するために高い表面性状が要求される．また近年の新興国を中心としたATの需要拡大に伴い，コアを中心としたソレノイドバルブ部品の低価格化，短納期化が強く求められている．