周期的外力の印加に対する渦励振現象の過渡応答特性と渦励振のアクティブ制御

摘要

流れと垂直方向に振動するよう弾性支持された円柱は，円柱から周期的に流出する渦による変動揚力を受ける．ある流速において渦の流出周波数と系の固有振動数が一致し，共振により振動が発生する．これを渦励振と呼ぶ．流速が多少変化しても渦が円柱の振動に同期して流出する同期現象が発生するため，ばね·ダッシュポット系の単純な共振現象とは異なり，ある程度の流速範囲で振動が誘起される．この渦励振を発電に利用する試みがあり，広い流速範囲で安定した振動振幅を得るための制御技術が重要となっている．本研究では電磁誘導による力を利用して渦励振する円柱に対して非接触で任意の強さ，周波数，振動波形を印加できるシステムを構築した．これにより，Karman渦励振あるいはTrailing渦励振状態にある円柱に対して振動の位相に対して任意のタイミングで周期的外力を印加し，これに対する渦励振の過渡応答特性を求めた．本報告では，特定の外力の入力条件によって，円柱の振動振幅が減少する場合について注目し，外力の周波数，振幅，位相差の違いによる減少速度および減少量の関係を明らかにする．またその特性を利用して外力を能動的に制御することで振動の抑制を行う手法を検討する．