モノピボット軸受式遠心血液ポンプにおけるインペラ流路形状がポンプ特性に与える影響

摘要

心疾患患者の外科的治療の一つとして行われる関心手術を行う際に，遠心血液ポンプが用いられる．モノピボット軸受式遠心血液ポンプは，ピボット軸受によりインペラが1点で支持されており，こまのように回転する．これまで，本ポンプは4週間の動物実験での無血栓を確認しており，急性心不全に伴う経皮的心肺補助（PCPS）や右心補助など他の用途での使用も期待されている．しかし，本ポンプの用途の拡大に伴い，ポンプのさらなる性能向上が求められる．そのため，我々は、インペラの流路形状を変更した場合の，内部流れへの影響を検討している．本ポンプはモノピボット軸受を用いているため，血液の流体力が，インペラの傾きや浮上，ポンプ性能といったポンプ特性に影響を与えることが考えられる．本研究では，インペラ流路形状の変更がポンプ特性に与える影響を実験により評価し，改良につながる設計を検討した．