印刷用板紙における塗工層の機械的特性評価

摘要

葉書等の印刷用板紙は定型加工する際，生産性の都合から100枚程度を重ね合わせて断裁することが多い．このような場合，非対称なくさび（片刃）が用いられる．片刃を用いた板紙の断裁加工特性におけるスラスト分力の見積もりについて報告している．このような断裁加工では，塗工面や層内介在物によって刃先の摩耗が促進され，切断面形状の品質に影響を及ぼす．すなわち，摩耗した刃先による切断により塗工層の破損や切口形状の変形が問題視されるが，その特性は解明されていない．本研究では，刃潰れを想定した台形先端のくさび片刃を用いて重ねた葉書の押し抜き実験を行い，刃先幅が中層（2枚目）の切断面形状と塗工面に及ぼす影響について実験的に解析した．