(2A-07)不連続繊維CFRTP のハット型構造物の曲げ破壊試験評価

摘要

連続繊維の熱硬化性CFRP は優れた強度特性を示す事等から，航空機構造物材料等に利用されているが，幅広い産業利用のためには生産性やコスト面で課題がある．これに対して不連続繊維の熱可塑CFRP は，高い生産性や低コスト化により，特に自動車産業等での産業応用拡大が期待されている(1)．しかし，不連続繊維の熱可塑CFRP では，繊維の長さや配向が一定でないことから強度特性の予測が難しいため，構造物として応用可能であるか十分検討される必要がある．本研究では不連続繊維熱可塑CFRP の構造物の強度評価を目的として，LFT-D(Long Fiber Thermoplastic-Direct)成形プロセス(1)を採用してハット型断面構造物の供試体を製作し，曲げ破壊試験による評価を行った．また樹脂の同じ連続繊維プリプレグを補強材として用いて，LFT-D 成形材料と同時加熱による一体成形で補強材を有するハット型断面構造物も製作し，補強材が曲げ破壊に及ぼす影響の検討を行った．