試験法を用いた炭素繊維／樹脂間の界面引張強度の実験的評価

摘要

炭素繊維強化プラスチックのミクロスケールの 内部損傷は繊維/樹脂間の界面はく離が起点に全 体的な破壊へと進展していくことから，繊維/樹脂 間の界面強度が複合材料の力学的特性に大きな影 響を与える．従来，界面特性評価法として， microbond 試験法 1)，Pull-out 試験 2)，Pull-in 試験 3)，Fragmentation 試験 4)などが提案されている．前 述の試験法は界面せh断強度の評価手法であり， 界面引張強度の評価に適していない．そこで，界 面引張強度評価法として Cruciform 試験法が提案 されている 5)．荻原ら 6)は，ガラス繊維/エポキシ 樹脂の界面引張強度を実験的および解析的に評価 をしている．引張試験において界面はく離発生， 進展が観察され，ガラス繊維/エポキシ樹脂の界面 引張強度は 45[MPa]と報告されている．先行研究 において，ガラス繊維/エポキシ樹脂の実測がされ ている一方で，炭素繊維を対象とした界面引張強 度の評価した研究は著者らの知る限りない．そこ で本研究では，Cruciform 試験法を用いて炭素繊維 /樹脂界面引張強度を実験的に評価した．