(B1-05_YAMASHITA_Shinichiro)炭素繊維薄層テープ強化熱可塑性樹脂の引張強度における繊維長依存性

摘要

成形性やリサイクル性の低さなどの炭素繊維強化プラスチックス（CFRP）が抱える課題を解決すべく，近年，熱可塑性CFRP に関する研究が盛hに行われている．特に，量産車をはじめとした様々な用途を見据え，高い力学特性とバラツキの小ささを両立した炭素繊維薄層テープ強化熱可塑性樹脂（UT-CTT; Ultra-thin chopped CF tapereinforced thermoplastics）の開発が進hでいる．UT-CTT を信頼性のある新素材として実用化する上で，力学特性およびそのバラツキが精度良く予測できることは非常に有益である．これまでFeraboli ら1)，Sato ら2)，Selezneva ら3)などによって力学特性予測モデルに関する研究が行われており，弾性率は精度良く予測できているものの，強度に関しては実験値との開きが大きく，実際の破壊現象を十分に再現できていない．本研究では，UT-CTT を実用化する際に重要な力学特性の一つである引張強度を対象とし，詳細な観察に基づいて引張破壊のメカニズムを解明し，さらにそれを考慮した強度予測モデルを構築する．