コンベアライン上での連続秤量における精度の向上

摘要

近年，コンベアライン上に運搬される物体の質量の高速、高精度の要求にともない，質量測定器(はかり)により秤量された計測データに関係のない誤差信号が重畳されている問題があり，その対策が重要な課題となっている。とくに，コンベアライン上で秤量する場合には，コンベア本体ならびに秤量物の固有振動による周期的な誤差成分が発生しやすい。このような計測環境を考慮に入れた研究としては，池田，小野，青木らによる走行車両の動的質量計測がある。トラックスケールの上に静止せずにスケール上を走行させて，はかりにより静止荷重を測るものであり，ダイナミックスをできるだけはかりの出力に反映させた逆問題を解いている。しかし，本研究では実測データを見る限り，どの時点で秤量物が荷重受部(ロードセル)に載っているか，判然としない。したがって，ローパスフィルタのみに依存するデータ処理による測定法の有効性ならびに限界を実証する。