単分散粒子を用いたPM_(10)／PM_(2．5)質量濃度測定用バーチャルイシパクタの分級性能評価

摘要

PM_(2．5)の規制が，我が国においても本年4月から開始されており，比較的対策が進hでいる移動発生源に比べて，排出実態の明確でない工場や廃棄物焼却場等の固体発生源における測定に関心が高まっている。煙道中でのPM_(10)/PM_(2．5)の計測法の標準化が，ISOTC146／SC1／WG20において，ウィーン大学との共同研究で開発した多孔ノズル式二段バーチャルインバクタ（VI）を対象に検討が進hでいる（Fig．1）。先行してISO化されるカスケードインパクタでは，高粒子濃度条件において衝突板への粒子の捕集·堆積が進行するにつれて，衝突板での粒子の反発。再飛散が起こり，小粒径のカット段に粗大粒子が混入することにより排出濃度を過大評価する欠点があるが，VIではその欠点を克服できる大きな利点がある。しかし，現状のVIは吸引流量が12．5LPMと少なく，サンプリング時間の削減のため吸引流量の大流量化を図る必要がある。そこで，本研究では吸引流量を2倍にしたVIを新たに試作し，単分散粒子を用いてその分級性能の評価を試みた。