自動車の環境対応と材料技術

摘要

21世紀を迎えて、環境対応技術はさまざまな産業·技術の領域で主要な課題となっている。自動車でも例外でなく、燃費や排出ガス、リサイクルなどの車にとって言わば「負の側面」を解決していくことが、将来とも多くのユーザに使われるための必要条件と考えられる。今後、中国やインドなどの巨大な人口を有する地域において、人々が移動手段としての自動車を必要とする時、このことがますます重要となってくるのは明らかである。材料とプロセスの技術は、自動車のような工業製品を支える基本的な要素技術であり、これらの進歩なしに自動車の大きな進歩はありえない。この意味で、環境問題に対応した自動車を実現していくためには、材料·プロセス技術の進歩が必要であり、さまざまな視点での革新が求められている。ここでは、自動車を取り巻く環境問題の中でも特にCO_2問題を中心に材料技術との関連と今後の課題について述べる。