円管内に形成される安定温度成層流の圧力損失測定

摘要

地球上のような重力場において，流れが水平で流体の密度が鉛直方向に変化するとき，その密度差から浮力が生じ，流れは層を形成する．密度差が温度に起因するものを温度成層流といい，高温·低密度の層が低温·高密度の層の上にある状態を安定温度成層流という．筆者らはこれまで，プラントの配管を想定した水平配管内の安定温度成層流について乱流混合の抑制機構の現象解明を行い，PIV法，LIF法を用いた速度·温度計測および界面と壁面の拘束により生じる二次元流れの構造を明らかにした．その結果，円管内に形成された安定温度成層流において，上下層の流れがそれぞれ独立している現象，さらに管全体が層流化している現象が確認されている．本研究では，管内の成層化と圧力損失の関係を実験的に明らかにすることを目的とする．