レーザ光平面を用いた三次元位置姿勢計測システムの開発－姿勢計測アルゴリズムの検討

摘要

近年，空間における物体の位置，姿勢を安価に精度よく計測する必要性が高まってきている．本研究では多点計測，動的計測，低コストなど，これらの要求を満たす新しい計測装置を開発することを目標としている．本システムの基本原理は，三次元空間の位置座標を3つの平面の交点として計測することである．実際には，平面としてレーザ光を一次元方向に拡散した，いわゆる線状レーザ光（これをレーザ光平面と呼ぶ）を使用し，平面の交点つまり測定対象には，光センサを用いたディテクタを使用する．レーザ光平面がディテクタと一致したときの回転角度を測定して平面の方程式を決定し，3つの平面の方程式を連立させて解くことにより，交点の位置座標を求めることができる．また，測定対象に3つ以上のセンサを取り付け，各点について位置を計測することにより，姿勢の計測をすることができる．これまでに，この原理を用いた三次元空間における位置計測システムを開発した．さらに，複数点を同時に計測するシステムを開発した．第1回の中間発表では，姿勢計算アルゴリズムとして，平面法線ベクトル合成法と頂点方向ベクトル合成法を提案した．本研究では，以下の3点を行うことを目的とする．複数の位置座標から姿勢を求めるアルゴリズムの検討．シミュレーションによる誤差解析；実験による評価．