曲率変化を基にした初期段階の意匠設計（第3報）－定規による曲面修正と曲面のパラメトリック近似

摘要

初期段階の意匠設計では，自由曲面形状の変更，修正，洗練を繰り返し行いつつ，美しく滑らかな曲面を得ることが重要である．前報[1]では，2次式等を用いてカーブ定規を表現し曲面形状を修正するパラメタとして形状を示す定規の型や，移動するときの拘束条件を盛り込hだ曲面式を導入した．しかし，形状を大きく修正したい場合，盛り込hだパラメタの変更だけでは不十分である．この場合には，ガイド線を変更する必要があり，変更の結果，曲面の品質を落とさないことが重要である．そこで，本報では，高品質な曲面となるためのガイド線の要件をまとめ，それを基にガイド線を変更することで，曲面品質を維持しつつ，全体の形状を修正できる手法を示す．また，設計された形状を利用する場合，定規曲線をガイド線に沿って移動した軌跡で表現されている式よりも，NURBS等の一般的なパラメトリック表現で曲面式を持つ方が望ましい．近似曲面の作成では，曲面の滑らかさを維持できることが重要である．さらに，複合面を近似する場合は，曲面式は曲面同士の境界線と完全に一致しなければならない．そこで，両ガイド線のパラメタをスプライン式で近似し，次数を上げることで，任意のガイド線を通過するスプライン曲面を作成し．パラメトリック式で近似する方法を示す．