現場環境における三次元測定機の高度化に関する研究―熱膨張係数付ブロックゲージを用いた温度補正の評価

摘要

三次元測定機（座標測定機 Coordinate Measuring Machine，以下，CMM）は，機械部品の三次元形状，寸法，位置などを測定するために，広く機械産業分野で利用されている測定機であり，CMM の高度化は，品質保証のうえで必要不可欠な要求である．本研究では，現場環境でCMM を使う場合に問題となる要因を解析し，問題解決のための提案を行うことにより，現場環境における三次元測定の高度化を行うことを目標にする．本報では，現場環境に置かれたCMM について，熱膨張係数付ブロックゲージ（以下 C-MBG）の目盛誤差からスケールの温度補正に関して実験的に評価した．また，校正された温度計からワークの温度補正に関して実験的に評価し，スケールとワークの温度計を補正する手法を提案した．