超精密加工用高速リニア駆動テーブルの研究開発

摘要

近年の画像情報機器、光学機器の高性能化に伴い、非軸対称非球面形状や自由曲面、さらには不連続な面を持つ非球面形状など様々な複雑な形状を持つ超精密光学素子に対する要求が増大している.著者らは、すでに圧電アクチュエータを用いた高速ステージを開発し、これにより非軸対称形状を効率的に加工可能であることを示しているが、圧電アクチュエータによるステージは駆動可能なストロークに限界があり、大きな非軸対称変位を持つ光学素子等の加工は困難であった.このため、本報では、高剛性なセラミックス製エアースライドとナノメータの分解能を有するスケールユニットそしてボイスコイル型リニアモータを組み合わせることで大きな変位を可能とし、かつ高速、超精密な位置決めを可能とするリニア駆動テーブルを開発した.テーブルの設計、構成そして駆動特性について述べ、今後の展望について検討を行う.