22kVモールド変圧器における部分放電放射電磁波測定に関する基礎的検討

摘要

配電用モールド変圧器(CRTr)は敷設から20年以上の長期運用において，絶縁破壊事故が報告されている。しかし，その事故を招いた劣化メカニズムは未解明であり，現場における絶縁診断手法は確立されていないのが現状である。CRTrの現場設置状況を大きく分類すると，金属箱内部と外部（開放型）の2つある。本研究では，絶縁破壊の前駆現象である部分放電(partial discharge: PD)に着目し，CRTrの各配置での最適なPDセンサの選定に基づいた絶縁診断技術の確立を目指している。本報では，開放型に配置された複数のCRTrにおけるPD位置標定手法の検討を目的とし，その基礎検討として模擬ボイド欠陥のPDによる放射電磁波信号に及ぼすCRTr卷線の影響，および複数アンテナによるPD放射電磁波測定について検討した結果を述べる。