双曲型偏微分方程式に対する高性能数値計算法の統一的構築の試み

摘要

近年，計算機の普及と性能向上を背景に，数値解析技術が製品開発の現場で広く用いられるようになった．これまでに，筆者らは並列有限要素法に基づく大規模音響解析手法を提案し，高精度かつ数千万自由度の大規模解析の実行が可能であることを示した．本研究では，これまでに開発した音響解析コードに，マイクロ波帯域の電磁界解析機能を追加し，両者の並列計算アルゴリズムをはじめとする機能の共通化を図る．有限要素法において，両問題はともに，自由曲面を含む複雑形状，解析領域の拡大，解析周波数の上昇により大規模解析が必要となり，かつ，反復法の収束履歴が同じ傾向を示す等の共通した特徴がある．