太陽電池、蓄電池及びヒートポンプ給湯機を用いた小規模離島における再生可能エネルギー電力·熱供給システムの検討

摘要

現在、島内に発電所を持たない小規模な離島への送電は海底電力ケーブルを用いており、海底ケーブルの距離によっては送電設備のコストが非常に高くなってしまう。特に沖縄県では有人かつ島間距離が長い離島が多く、また交換時期が近づいている海底ケーブルも存在している。離島の電力供給を従来のケーブルではなく、再生可能エネルギー（再エネ）を用いた独立系統を構成することにより、電力供給コストを減らすことが提案されている。しかし、再エネで独立系統を構築する場合、時間帯によっては大量の余剰電力が発生してしまう。そこでkWh単価低減を目指し離島の熱需要を余剰電力で賄うことにより、設備利用率を向上させる事を考えた。提案するシステムを導入することにより熱需要に使用していた化石燃料の消費量を減らすことも可能である。離島での化石燃料は移送費用がかかるため高コストであり、その消費量の削減は重要である。本稿では年間需要が62MWhの離島に再エネ電気·熱供給システムを構築した場合の必要設備容量とその場合における余剰電力により熱需要の一つである給湯需要を賄うことが可能かを検討する。