天然黒鉛質および銀黒鉛質ブラシを用いた銅スリップリングシステムにおける潤滑オイルの影響

摘要

電気摺動接触通電機構は，静止物体と移動物体間の電力伝達等に利用されており，異常摩耗や火花によって通電が停止した場合影響が大きいことから，長寿命化，信頼性·安定性の向上が求められている．本論文では，ブラシ長寿命化を目的として摩耗低減を考慮して潤滑オイルに着目した．天然黒鉛質ブラシおよび銀黒鉛質ブラシ対銅スリップリングシステムにおいて，2種類の潤滑オイル（機械潤滑用，接点用潤滑剤）が接触抵抗に与える影響を調査する．本稿ではオイル介在時の通電基礎特性を明確にするために，静止時の，「オイルを介在させた場合の結果」から，「オイルを介在させない場合の結果」を減算し，オイル有無による接触抵抗変化分について検討を行った．