配電系統における集中型と分散型事故復旧方式の性能比較

摘要

配電系統に事故による停電が発生した場合，まず事故設備を特定し，迅速かつ効率的に事故設備を含む区間以外の停電系統を復旧しなければならない。通常，配電系統には400個程度の開閉器があるので，復旧目標系統の解を探索するには2~(400)通りもの組み合せがある。たとえば，1[μs]で1つの組み合わせを調べるものとすると，8.2×10~(106)年も必要となる。したがって，集中型システムとして最適化プログラムを用いて，解を探索することは現実的ではない。本研究では，マルチエージェントを用いた分散型配電系統事故復旧方式を提案する。また，提案方式のシミュレーション結果と集中型による混合整数計画法の解を比較し，提案方式の性能を評価する。