情報セキュリティ心理学：犯罪心理学の適用

摘要

インターネットやコンピューターのセキュリティは技術的には急速に発展してきた。しかしながら、さまざまなソフト的、ハード的な対策が行われても人的要因（ヒューマンファクター）によってセキュリティが簡単に破られてしまう場合が少なくない。いまだに、パスワード窃取の主要な方法は非常に単純なソーシャルエンジニアリング手法によって行われているし、ネット犯罪の多くはコンピューターやネットワークのセキュリティホールを巧みについて行われるものよりもむしろ、人間の心理的な弱点を巧みについているものである。そこで、セキュリティを強化していくためには、この人的要因を含hだ防衛手法を考案していくことが不可欠である。この発表では、犯罪心理学の側面から、人的要因対策にどのような貢献ができるのかについて概観する。