OFケーブル接続部のtanδ悪化油強制流動特性

摘要

OFケーブルは経年使用品が多いが、接続部などで絶縁油tanδが極度に悪い（tanδ=数十%レベル）場合が認められる。このレベルの絶縁油tanδを含浸した油浸紙の単純な紙/油複合体モデルでは計算上、誘電発熱による熱破壊を起こすことになるが、今の所そのような事例は経験していない。これまでの検討からtanδ悪化油含浸紙では主に次の2つの理由によりtanδ抑制機構が作用していることが判明している。(1)紙繊維間での油中イオンの移動度が関係する現象であるガルトン効果(3)による（運転電界域を含む）高電界域でのtanδ減少。(2)油中イオンの絶縁紙への吸着によるtanδ減少。今回、上記の現象を踏まえ実機接続箱（154kVOF）を用いてtanδ悪化油をラヂアル方向（ケーブル軸と直角方向）に強制流動させた場合の絶縁層tanδの特徴について調べた。